Talks

16:30−18:00

Art Collaboration Kyoto ラウンドテーブル
コミッションワークの未来
supported by Daimaru Matsuzakaya

日本において、アーティストが自身のキャリアを拡大していく上でキーとなるアートワークの制作を支援する経済的、技術的な整備が整っていません。その中で、大丸松坂屋百貨店が取り組んでいるLadder Projectは、多様な表現方法を持ったアーティストを支援する枠組みとしてスタートしました。活発なマーケットの動向が注目を集める一方で、アーティストはマーケットにとらわれず、表現性やテーマを多様化させています。こうした状況の中で、よりアーティスティックなプラクティスに邁進できる環境の整備とともに、制作したアートワークの国際発信に向けた取り組みとして、 「コミッションワークの未来」と題したトークセッションを行います。海外の事例と接続しながら、リソースのシェアとエクスチェンジを通して国際文脈との連動を目指していくことが、相互に刺激しあえる関係の構築となっていきます。本ラウンドテーブルではこうしたアーティストのプラクティスに則したアプローチの可能性を探ります。

登壇者
インティ・ゲレロ(キュレーター/シドニービエンナーレ2024 芸術監督)
ワン・ウェイウェイ(王慰慰)(キュレーター(Centre for Heritage, Arts and Textile))
藪前知子(東京都現代美術館 学芸員)
山峰潤也(キュレーター/株式会社NYAW 代表取締役/東京藝術大学 客員教授)

 

登壇者プロフィール
 

インティ・ゲレロ

1983年ボゴタ生まれ、ベルリンを拠点に活動するキュレーター、教育者。現在はオスロ国立芸術アカデミーのPhDスーパーバイザー。第24回シドニー・ビエンナーレの共同芸術監督を務め、2016年から2020年にはテート・ロンドンのエストレリータ・B・ブロツキー非常勤キュレーター(ラテンアメリカ美術担当)として勤務している。

インディペンデント・キュレーターとして、これまでに「Myth Makers」(Sunpride Foundation – Tai Kwun、香港、2022年)、「Institute for Tropical and Galactical Studies」(横浜トリエンナーレ2020、横浜美術館)、「Long Green Lizards」(ダカール・ビエンナーレ、La Biennale de l’Art africain contemporain、ダカール、2018年) など、多くの展覧会のキュレーションまたは共同キュレーションを手がけている。
またバード・カレッジ(ニューヨーク)、CCAカリフォルニア芸術大学(サンフランシスコ)、チェルシー芸術大学(ロンドン大学)などをはじめとするヨーロッパ、アメリカ、アジア、ラテンアメリカの大学やアートスクールでチューター、客員教授、講師を務めている。

ワン・ウェイウェイ(王慰慰)

ワン・ウェイウェイは現在、CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile, Hong Kong)の展示・コレクション担当キュレーターを務めている。2010年から2017年まで上海現代美術館(MoCA上海)にてキュレーターとして勤務し、2017年、台湾の關渡美術館のキュレーター・イン・レジデンス・プログラム、韓国ソウルの国立近現代美術館の国際研究員プログラムに参加。
その後、第12回上海ビエンナーレの共同キュレーターに任命され、2018年にはアジアン・カルチュラル・カウンシル香港から個人フェローシップを授与された。
2017年以降、東アジア現代美術に関するリサーチを継続して行っている。

近年携わった展覧会として、「雲、力、そして装飾-中央アジアを駆け巡る」(2023年)、「シリーズ・東アジアを紡ぐ1:手のなかの羅針盤」(2022年)、「シリーズ・東アジアを紡ぐ2:網」(2022年)、「シリーズ・東アジアを紡ぐ3:紡ぐ」(2022年)などがある。
東アジア・シリーズ2:絡み合う網」2022年、「Yin Xiuzhen: Sky Patch』2021年などがある。

藪前知子

東京都現代美術館学芸員。企画担当した展覧会に「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」(2020)、「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する](2021)、「日本現代美術私観 高橋龍太郎コレクション」など。外部企画のキュレーションに札幌国際芸術祭2017など。雑誌等に日本の近現代美術についての寄稿多数。

Photo by Takehiro Goto
山峰潤也

東京都写真美術館、金沢21世紀美術館、水戸芸術館現代美術センターにて、キュレーターとして勤務したのち、ANB Tokyoの設立とディレクションを手掛ける。その後、文化/アート関連事業の企画やコンサルを行う株式会社NYAWを設立。展覧会のキュレーション、アートプロジェクトのプロデュース、雑誌やテレビなどのアート番組や特集の監修、執筆、講演、審査委員、国際機関による海外派遣など多数。その他、文化を含む社会共通資本に関わるインパクト評価の研究や地域の魅力を再発見していく旅を2024年より自主活動としてスタート。
国立アートリサーチセンター室長室外部アドバイザー、CIMAM(国際美術館会議)個人会員。

Photo by Mayumi Hosokura

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