KM05
アートコートギャラリー
(大阪)
京都を活動拠点とする3作家を紹介する。
コンテンポラリーアートとしての藍染めの可能性を追求し、その作品世界を押し広げてきた福本潮子は、近年日本の風土に根付く古布を素材に取り入れ、地球規模で進む環境問題など幅広い視野からのメッセージを込めた独自の藍作品を展開している。今回は手間隙惜しむことなく作られ、大切に継承されてきた高僧の袈裟を素材に藍を重ねた2作品、《禅》《浄土》を発表し、失われてはならない日本文化の拠り所を可視化する。
実体として正に存在する福本作品に対し、大西伸明は完璧に透明な樹脂を素材に、日用品や自然物を精巧に複製し、色彩や質感を本物と見紛うようにリアルに描き出しながら、その一部をあえて完全に透明なまま残す独自の作品を発表する。それらは私たちの当たり前の認識に疑問を投げかけ、時空が揺らぐような体験を届ける。さらに2019年に来日し、能面師でもあるドイツ出身の若手美術家、ベーハイム雪絵ラオレンティアの創作面がつくり出す異次元。
3作家の作品が相互に作用し、時間、空間に揺らぎが波及する。
Gallery Information
2003年の設立以来、野村仁、今井祝雄など日本戦後美術を牽引してきた美術家、「工芸」を新たな領域へと拡張・深化させる秋山陽や福本潮子など国際的評価の高い美術家、さらに内外から注目を集める石塚源太、川田知志など実力ある若手まで、コンセプト・素材・技術ともに独自性に富む優れた現代美術を紹介。ミュージアムスケールの展示空間を活かした企画展のほか、内外での展示コーディネートやパブリックアート設置、美術館・財団への販売を手掛ける。2018年に京都・北白川にビューイングルーム「ACG Villa Kyoto」をオープンし、多角的なアプローチで日本の現代美術の発信拠点となることを目指している。
拠点
- ACG Villa Kyoto
- 京都市左京区北白川小倉町50-10[紹介予約制]
