ARTCOURT Gallery
(大阪)
亀裂を特徴とする独自の陶表現により、造形―空間―知覚の間に生じる関係への存在論的アプローチを追求してきた秋山陽と、写実と抽象の対比を超越した描画により、目に見える風景の向こう側へと眼差しを向ける児玉靖枝。数十年にわたり京都の地で制作を続け、国内外で高く評価される2作家の作品を紹介します。
秋山は学生時代に師事した八木一夫晩年の走泥社展にも参加。素材と自身の意図の間に醸成される「現象」としての土の振る舞いを、人為と自然、生成と崩壊といった要素を包摂する造形へと構築します。本フェアでは器構造を土台として、内/外の関係を密接かつ流動的なものとして考察する代表的シリーズ《Metavoid》の新作を発表します。さらに児玉が2009年より手がける《深韻》シリーズより海の情景を描いた《わたつみ》(2011)と木々の陰翳を主題とする新作を展示。現実の描写対象の向こう、あるいはその裂け目に立ち現れる「不可知な存在」の気配を絵具の物質性とイメージの交感のうちに感知させる児玉の絵画と、表面の亀裂によって私たちの知覚をその奥に在る見えない内部へと誘う秋山の造形。存在の深奥を問う表現をご体感ください。
Gallery Information
2003年の設立以来、野村仁、村上三郎、今井祝雄、中里斉など日本戦後美術を牽引してきた作家、さらに秋山陽、福本潮子、西野康造など、国際的評価の確立した美術家から実力ある若手まで、コンセプト・素材・技術ともに独自性に富む優れた現代美術を紹介。天井高7mの展示空間を活かした企画展のほか、海外での展示コーディネート、建築空間への作品設置、国内外の美術館・財団への販売を手掛ける。2018年には京都・北白川にビューイングルーム「ACG Villa Kyoto」をオープンし、多角的なアプローチで日本の現代美術の発信拠点となることを目指している。
拠点
- ACG Villa Kyoto
- 京都市左京区北白川小倉町50-10[紹介予約制]