KM13
Ulterior Gallery
(ニューヨーク)
Ulterior Galleryは、ニューヨークを拠点として活動するキャリー・ヤマオカの作品を紹介する。絵画・写真・彫刻作品など多岐にわたるメディアで、表層のトポロジー、物質性、過程、視覚し難いものの触感を掘り下げてきたヤマオカは、1990年代からアメリカとヨーロッパを中心に作品を発表し、高い評価を得てきた。
日系三世アメリカ人として、ヤマオカの日本との関係性は複雑で、親密で遠い。初の京都での展示では、代表的な作品である、艶やかな樹脂の平面作品と合わせ、2024年春に西芳寺で作家本人が撮影した切り株の写真をシフォン素材に印刷した「Stump2」等を展示。時間、距離、存在の変遷を示唆しつつ、ディアスポラ作家として二文化をまたぐ感性がより浮き立ち、自身のルーツを色濃く反映した展示を展開する。
1957年生まれ。展示歴は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)PS1分館、ポンピドゥー・センター、ヴィクトリア&アルバート美術館ほか多数。ホイットニー美術館、ポンピドゥ・センター、シカゴ美術館、ダラス美術館、ヘンリー・アート・ギャラリー、ヴィクトリア&アルバート美術館等に作品収蔵。『ザ・ニューヨーク・タイムス』、『美術手帖』など数多くの媒体で高い評価を得ており、グッゲンハイム・フェローシップとアノニマス・ワズ・ア・ウーマン賞を受賞。クィア作家集団fierce pussyの創設メンバー。
Gallery Information
Ulterior Galleryは、2016年にニューヨークのローワーイーストサイドにあるAttorney Streetに設立され、2022年にソーホー地区のCanal StreetとBroadwayの交差点近くのランドマーク・ビルディングの最上階に移転しました。
その名が示すように、Ulteriorは国境や境界を越えた本質的な”in-betweenness”(二つのものの間にある、または二つの状況や時間の中間を指す)を探求するアートとアーティストに焦点を当てています。またこのアイデアに依り、Ulteriorは、異なる世代の日本人もしくは日系ディアスポラ・アーティストや、カテゴリーを超えるような形で活動する多様性ある国際的アーティストを紹介してきました。
東京出身の創設ディレクター田邉多佳子は、日本人の感性とアメリカでの様々な経験から培われた洞察力で、ギャラリーのプログラムをリードしています。