12:30−14:00
アートを未来に遺すことーコレクションの楽しみかた
- 登壇者:ナタリー・バウム、クリストフ・ノー、高橋隆史、ジャスティーン・アレクサンドリア・テク
長い歴史の中で、芸術は教会や貴族、商人などさまざまな人々によって支えられてきました。美術館や博物館などの公的機関もまた、そういったコレクションから始まったと言われています。多様な作品たちを未来に遺すことは、私たちの社会の、ひいては人間の感性の豊かさを再獲得するための一助となるのではないかという考えのもと、本トークでは、現在の文化をさまざまな形で支えてきた「コレクション」について、その基本的な考え方や、現代社会におけるコレクターの存在意義などを改めて紐解いていきます。
登壇者:
ナタリー・バウム(コレクター)
クリストフ・ノー(アート・アントレプレナー/アート・アドバイザー/Larry’s List 共同設立者)
高橋隆史(株式会社ブレインパッド 共同創業者/取締役会長)
ジャスティーン・アレクサンドリア・テク(Yuz Museum Shanghai/Yuz Foundation ディレクター)
登壇者プロフィール
- ナタリー・バウム
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1985年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ、ドイツ、日本、パリで育つ。モントリオールのマギル大学で政治学を専攻し、レ・ロッシュ大学でホスピタリティ・マネジメントの修士号を取得。ニューヨークで働いた後、10年前からパリ在住。
フェアや展覧会に足を運んだり、定期的なアトリエ訪問に参加しながらアートとともに育ち、2019年から本格的にアート作品の収集をスタートする。
自身のコレクションを通して、ギャラリーやアーティストから展示スペースやキャリアに関するアドバイザーとしての依頼を受けるようになり、現在はアーティストのサポート、ギャラリストやコレクターへの紹介を行うとともにキュレーターとしても招聘されている。
また、アルミーネ・レッヒや小瀬真由子など、まだ国際的に知られていないアーティストを支援、紹介することに力を入れている。
- クリストフ・ノー
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経営コンサルタントから現代アートの世界に転身したのち、当初は中国の現代アートに焦点を当て活動。のちに現代アートコレクター向けに各種データ、リサーチ、アクセスを提供するアートマーケットナレッジのリーディングカンパニー、LARRY’S LISTを共同設立。また画家リウ・イエのカタログレゾネをはじめ、多くの書籍やレポートを編集、出版。40歳以下のアートコレクターに関する調査書「The Next Gen Art Collectors Report (2021)」や、ベストセラーとなったガイドブック「How to Not Fuck Up Your Art-World Happiness (2022)」、「Swapping VIP Pass for Happy Meal (2024)」などを出版している。
大手アートコレクターや私立美術館のアドバイザー、ディスカッションのスパーリング・パートナーとして活動するとともに、ファッション、ラグジュアリー、自動車関連企業のクライアントが手掛けるアート関連事業にも携わっている。
ウィーンのアンゲヴァント大学、ソウルの梨花大学、香港大学などの学術機関で広くアートマーケットに関する講義を行うほか、フィナンシャル・タイムズからチャイナ・デイリーまで、世界の主要なニュース・メディアやアート・プレスにその専門的な知見が引用されている。 -
- 高橋隆史
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ビッグデータ&AIベンチャーのパイオニアである株式会社ブレインパッドの共同創業者。
現代アートの購入は、2018年から開始。コレクションを通じて多くの喜びを得て、現在はその楽しさを広げてコレクターを増やすために、起業家仲間で現代アート同好会を発起して幹事を務める。
その他、アート業界のジェンダー不平等を解消に取り組む米国National Museum of Women in the Arts(NMWA) の日本支部の委員など、現代アート業界における様々な課題解消のための活動にも積極的に参加している。 -
- ジャスティーン・アレクサンドリア・テク
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余徳耀美術館(Yuz Museum Shanghai)と余徳耀財団 (Yuz Foundation)のディレクターとして「Rain Room by Random International」(2015年)、「Twin Tracks:楊福東個展」(2015年)、「アルベルト・ジャコメッティ回顧展」(2016年)、「アンディ・ウォーホル:影」(2016年)、「KAWS:
Where the End Starts」(2017年)、「奈良美智展」(2022年)など一連の大規模な国際展のほか、新進アーティストの支援を目的とした展覧会シリーズ「YUZ Project Space of Art」などを手掛ける。
国際的な機関との強力なパートナーシップ関係の構築を主導しており、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)、カタール美術館(QM)とのコラボレーションに貢献。余徳耀美術館(YUZM)での「In Production: Art and the Studio System」(2019年)、「Legacies of Exchange、 LACMAでの「交流の遺産:余徳耀財団の中国現代アート」(2022年)、YUZMでの「砂漠に水をまく:カタールの現代アート」(2023年)などのマルチサイト展覧会プログラムを企画し、真の意味でのグローバルな視点を紹介。まったく新しいコンセプト「Yuz Flow」で世界からの注目を中国に集めることに成功している。
ウェブサイト:Yuz Museum Shanghai
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配信URL
https://www.youtube.com/watch?v=SQ0yIySI5i0 -