ACK Curates
ACKが主催するACK Curatesでは、フェアディレクターが毎年異なるテーマを提示し、国立京都国際会館のイベントホールおよびその周辺にて開催されるパブリックプログラム展示、トークイベント、キッズプログラムといった、あらゆる方に向けたプログラムを開催します。
Public Program
フェア会場のブース外に広がる多様なスペースを使った企画展示。今年のゲストキュレーターにはマーティン・ゲルマンと木村こころを迎え、彼らがキュレーションした作品が会場を彩ります。
キュレトリアルテーマ 「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」
ACKパブリックプログラム2025は、ACKの協働精神を出発点に、さまざまな知や視点、そして多様なアイデンティティの間に対話を生み出すことで、暮らし、記憶、そして時代ごとの思考や価値観が幾重にも折り重なり、地層のように形づくられてきた京都において文化的な共生関係を育みます。
経済やアイデンティティに根ざした優越主義、さらに新植民地主義的動向がもたらす新しい形の暴力は、分断を基盤とした社会システムの限界をあらためて浮き彫りにし続けています。これに対して、生態学に由来する「シンビオーシス / 共生」という考え方 ─異なる存在が互いに依存しながら共に生きるあり方─ は、共存と協力に立脚した別の世界像を私たちに示しています。
このような対話が、現代アートの言語や構造とどのように交差しうるかを探ることで、ホワイトキューブという限られた空間の外側へと広がり、京都という都市の文化的・社会的布地へと自らを織り込んでいくような実践を浮かび上がらせます。
本プログラムは、立場の上下を持たない水平な関係を根底に据えながら、ACKが掲げる「2050年」というビジョンに呼応し、共に生きるためのあらたな道を切り拓くことを目指します。
出展作家:遠藤利克、イェイン・リー、菅木志雄、ステラ・ジョン ほか
ゲストキュレーター:マーティン・ゲルマン(インディペンデント・キュレーター)、木村こころ(キュレーター)
会期:ACK会期に準ずる
会場:国立京都国際会館イベントホール及びその周辺
ゲストキュレーター
- マーティン・ゲルマン
ケルン在住。2025年まで森美術館のアジャンクト・キュレーターを務める。近年は、第9回絵画ビエンナーレ(Biennial of Painting)のキュレーター(ドント・ダーネンス美術館担当)、国際芸術祭「あいち2022」キュレトリアル・アドバイザーなどを歴任。2012年から2019年までゲント現代美術館にて芸術部門を統括。2008年から2012年にはケストナー・ゲゼルシャフト(ハノーバー)のキュレーターを務め、第3回および第4回ベルリン現代美術ビエンナーレに参画。これまでに多数の展覧会カタログやモノグラフを出版し、『032c』、『Frieze』、『Mousse』などアート専門誌に寄稿。2016年、リリ・デュジュリーの個展「Folds in Time」にてベルギーの最優秀展覧会に贈られるAICA賞を受賞。

- 木村こころ
2000年山形県生まれ。オランダ・ユトレヒト大学大学院 Arts and Society 修士課程修了。インドネシア・ジョグジャカルタCemeti: Institute for Art and Societyにてインターンシップを経験。フェミニズム/クィアの視点と脱植民地主義的な言説の交差点に関心を持ち、展覧会やワークショップを通じて、アイデンティティや自他関係の変容可能性を探求している。これまでに、SURVIVE! Garage(ジョグジャカルタ)やHAPS(京都)をはじめ、アジア各地のインスティテューションやアーティストと協働している。
