KM08
MAKI Gallery
(東京)
MAKI Galleryは、京都の豊かな自然と歴史に感化された鍵岡リグレ アンヌの新作をキョウトミーティングにて展示いたします。1987年神奈川県生まれの鍵岡は、古典的な油画・壁画技術と布のコラージュを組み合わせた独自の技法を用いながら、絵具を何層にも塗り重ね、部分的に削り取ることで複雑な色層を創り出します。彼女の半立体的な絵画は、水面の流動的なエネルギーを利用することで、反射された風景の解体と再構築を画面上で繰り返しています。鍵岡は制作において常に特定の場所を題材にしており、今回はArt Collaboration Kyotoに向けて、賀茂別雷神社(上賀茂神社)に流れる小川をモチーフとして選びました。その小川のゆらめく水面は、自然物と人工物が繊細に交錯する京都らしい景観を映しており、川辺の生い茂った木々の緑色と鳥居や橋などの朱色が美しく対比されています。波紋によって断片化された周囲の風景は、具象と抽象の合間を行き来し、鮮やかな色彩と絶え間なく変化する形態で観る者を包み込みます。鍵岡は今回、京都の水面を初めて描いただけでなく、新たに展開した手法も用いています。彼女の作品は、より一層複雑な空間性とマチエールを擁す表現で、何百もの河川が流れる古都の本質を具現化しています。
Gallery Information
MAKI Galleryは、戦後の前衛芸術家を取り扱うギャラリーとして2003年に東京で設立された後、徐々に焦点を新進気鋭の現代美術家へと移してきました。2014年にオープンした表参道のギャラリーに加え、2020年より天王洲のTERRADA ART COMPLEXに大型スペースを新設しました。この2つの拠点で、マンゴ・トムソン、ミヤ・アンドウ、ススム・カミジョウ、マリウス・ブルチーアなど、国際的に活躍するアーティストの作品を幅広く取り扱うと同時に、鍵岡リグレアンヌや多田圭佑、田村琢郎など、日本の若手アーティストをグローバルに紹介しています。また、Frieze New York(ニューヨーク)やThe Armory Show(ニューヨーク)、Asia NOW(パリ)、West Bund Art & Design(上海)をはじめとする国際的なアートフェアにも多数参加しています。