Kyoto Meetings

KM09

SCAI THE BATHHOUSE

(東京)

絵画の成立条件を横断的に結びつけ、絵画空間に生まれる現象をそれらと共に提示することを実践の核とする大庭大介は、自作のスキージを用いて絵具表面に溝を刻み、光の幾何学を立ち上げる近年の制作を経て、自身二十年ぶりとなる油彩画を発表します。2015年の「Ring」シリーズ、および面相筆で緻密に螺旋を描いた「SPIRAL」シリーズ(2009年)に端を発し、大庭の実践にたびたび回帰する「身体性」に依拠した本作は、油絵具の表面に筆でひたすら溝を刻むことで成立し、身体の痕跡をそのまま宿す不均一な線からなる画面は、刻まれた溝の角度と鑑賞者の位置によって流動する光の輪を創出します。本展では、光学的法則を用いた作品、さらにゴールドの「M」(2025年)、新シリーズ「Daisuke Ohba」(2023-2025年)を共に展示します。顔料等から成形した結晶状の絵具を用い、画家自身の知覚や経験・身体的判断によって構成される後者は、まさに自身の名を冠するに値する作品です。絵画とは「出来事」をそこに立ち上げ、世界を検証する場である ― 世界と人間との関わりを絵画によって問い続けてきた大庭は、その絶え間ない挑戦を更新し、さらなる展開に臨みます。

Gallery Information

スカイザバスハウスは、現代アートに特化したギャラリーとして、東京でも古い街並みを残す台東区谷中に創設されました。美術館や芸大が密集する上野からほど近く、200年の歴史を持つ由緒ある銭湯「柏湯」を改装したギャラリー空間は、一歩中に入るとニュートラルなホワイトキューブが広がり、高い天井からやわらかな自然光が差し込みます。
1993年の創設以来、スカイザバスハウスでは数々の展覧会や、コミッションプロジェクトを実現してきました。「もの派」の筆頭として日本の現代アート創世記を導いた李禹煥、強い物語性をもつ大型彫刻で国際的な注目を集める遠藤利克や森万里子など、第一線で活躍する多くのアーティストの評価を固めると同時に、名和晃平や和田礼治郎などの次世代作家を世界に向けて発信しています。その一方で、アニッシュ・カプーアや、ダレン・アーモンド、アピチャッポン・ウィーラセタクン、何翔宇など、海外の優れた作家を積極的に招き入れ、日本の文化を読み込んだ新しい作品制作の支援を行っています。また、六本木ヒルズのルイーズ・ブルジョワやマーティン・プーリエによるパブリックアートなど、時代とともに進化するアートの最前線を公共空間で展開し、街の景観を変えていくことで、現代アートの新たな支持層を生み出してきました。

E-mail

info@scaithebathhouse.com

URL

https://www.scaithebathhouse.com/

拠点

東京
台東区谷中6丁目1番23号 柏湯跡
Artworks
Photo by Norihiro Ueno. Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

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